副業禁止の会社の言い分に反論してみた

副業禁止の会社の言い分に反論してみた

近年は政府も副業を推奨していて、副業を解禁する会社も増えましたね。それに伴って会社選びの条件に入れる人も増えています。

私も何回か転職していますが、副業の可否を条件に考えたことはありません。いつも年収アップと仕事内容が優先だったからです。

しかし一度人事部に、「当社は副業を認める予定はないのですか?」と話したことがあります。もちろん「副業を認めろ」という意味ですが。

副業禁止にしている会社の言うことは、だいたいどこも同じなので、そのときの内容と、国の政策や今後の方向性などもお話ししておきたいと思います。

会社の副業禁止理由と反論したこと

会社の副業禁止理由

「労務管理が困難になる」

まず会社が言うことはこれです。「長時間労働になることを危惧している」と、本人の健康を考えた言い方をする場合もありますが、根っこは同じです。

体調を崩した場合などに、会社の仕事と副業の、どちらが影響しているのかが分からないので困る。仮に労災にあたる事故が起きた場合にも、副業が影響していることも考えられるということです。

だからといって禁止しなくても、例えば深夜労働になる副業は禁止するとか、時間を報告させるとか、条件を示せば全部禁止する必要もないでしょう。

そもそも副業は労働収入だけではありません。人がテレビを見ている時間を活用して、コツコツと作り上げたWEBサイトやアプリが、数年に渡って収入を生むケースもあるのです。

そのようなことを反論しました。彼らはただ面倒ごとを禁止したいのですね。

 

「会社の仕事のパフォーマンスが落ちる可能性がある」

これも会社がよく言う副業禁止理由です。深夜労働をしていたら、確かに昼間は落ちるでしょうね。しかし先ほどのように対策すればよいことです。

会社で業務外のことをしていたら、もちろん規則違反ですし、それ以外だと何でしょう?

集中力がなくなるとかでしょうか?社員をもっと信用しましょう。やる人は本業も副業も手を抜きません。

株式投資は副業じゃないから許されているけど、会社で株価を気にして見てる社員のほうが、よっぽど良くないでしょう。一番悪いのは、思考停止している社員です。

みたいなことを反論しました。

正直、人事部長とお話ししてもすぐに変わるものでもありません。このときは「いまのところ、副業解禁の検討はしていません。」ということを聞き出せただけです。

 

その他の副業禁止理由としては、このときには出ませんでしたが、「競業違反」「情報漏えいリスク」もよく言われます。

これらは副業する側のモラルの問題で、たとえ副業を許可されていても、やってはいけないことです。

ただし、表面的な「競業違反」で副業をとがめられるのはいかがなものかと思います。

どういうことかと言うと、例えば大企業の場合は、様々な事業を多角的に展開しているケースがあります。

ですから、副業で始めた仕事が、社内のどこかの事業部のビジネスモデルと同じだったりすることもあるのです。

ただ、それだけで競業違反と言われても、「いやいやちょっと待ってください。私はそこの事業部とは1ミリも関わったことがありませんよ。」という場合もあるわけです。

ましてや、競合の会社に関わったわけでもなく、個人でやっているだけだとしたら、大企業と個人ではかすりもしないでしょう。
実態をよく見て判断してもらいたいものです。一般社員よりも、職位が上のほうが、こういうリスクがあります。

政府や厚生労働省は副業・兼業を普及促進している

国は副業を推奨している

政府は、2017年3月28日の「働き方改革実現会議決定」で、「副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、第2の人生の準備として有効」と示しました。

また、「副業・兼業を希望する方は、近年増加している一方で、これを認める企業は少ない。労働者の健康確保に留意しつつ、原則副業・兼業を認める方向で、副業・兼業を普及促進する」としました。

 

これを受けて厚生労働省では、2018 年1月に、副業・兼業に関する現行法令の留意点をまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定して、周知を行っています。最新の改訂版は、2022年7月版です。

こちらはガイドラインで企業に向けた部分の抜粋。

裁判例を踏まえれば、原則、副業・兼業を認める方向とすることが適当である。副業・兼業を禁止、一律許可制にしている企業は、副業・兼業が自社での業務に支障をもたらすものかどうかを今一度精査したうえで、そのような事情がなければ、労働時間以外の時間については、労働者の希望に応じて、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが求められる。

また、これに沿った「モデル就業規則」も作っています。

根本的には憲法で職業選択の自由が保障されているので、何で決まるかというと就業規則なわけです。

※国家公務員は、国家公務員法103条、104条で原則として副業禁止

こういった国の方針や社会の流れからしても、今後は副業を認める会社は、もっと増えてくるでしょうね。

 

一方で労働者の対応としては、同じガイドラインに以下の記載がありますので、留意すべきでしょう。

  • 自身が勤めている企業の副業・兼業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認し、そのルールに照らして、業務内容や就業時間等が適切な副業・兼業を選択する必要がある。
  • 副業・兼業による過労によって健康を害したり、業務に支障を来したりすることがないよう、労働者(管理監督者である労働者も含む)が自ら、本業及び副業・兼業の業務量や進捗状況、それらに費やす時間や健康状態を管理する必要がある。

(参考)副業・兼業|厚生労働省

それでも副業禁止の会社って、どうなんだろう?

今後は副業自由の会社が望ましい

経営者の本音は聞いてもなかなか出てこないものですが、副業を禁止したい気持ちとしては、「本業に専念してほしい」とか、「忠誠心を示してほしい」とか、中には「優秀な人材が出ていくのではないか」と心配している会社もあります。

それって、自社に自信がなくて、隣の芝生を見せたくないように聞こえますよ。

実際はどうかというと、逆なんです。

ちょっと古いですが、パーソル総合研究所が2018年10月に行った「副業の実態・意識調査」というのがあって、母数も十分な調査ですが、副業を許可されてやっている人のほうが、会社への忠誠心や貢献意識などが高いという結果が出ています。

副業の実態・意識調査1

(出典)副業の実態・意識調査:パーソル総合研究所

副業を許可している会社側も、優秀な人材の確保や定着を実感しています。

副業の実態・意識調査2

(出典)副業の実態・意識調査:パーソル総合研究所

パーソル総合研究所、副業実態・意識調査結果【企業編】を公表

副業をしたほうが、ユーザーのことを考えたり、アイデアを試してみたり、会社では得られないスキルが身につくことが多いんです。

働き方や価値観にも多様性がある世の中で、それを認める会社の方が、魅力があるのは当然です。

社歴が長い大企業のほうが、比較的にこういった変化にはうといですね。採用で不利になることが、もっと明白に出てくると動くでしょうか?遅いですけど。

自分の会社がそういう頭の固い会社だと感じたら、転職を考えたほうがいいかもしれません。

また今後は、副業を認める会社が増えると同時に、終身雇用制が徐々に崩れていくのではないでしょうか。

自分の仕事人生は、会社に依存せずに自分で築いていく時代です。